食べログ騒動に思う、ありがとうと言うハナシ

食べログサクラ騒動

昨年のお正月にはグルーポンのスカスカおせち騒動というのがあったが、今年は食べログでの悪質なやらせ騒動からはじまった。もう1月も終わろうというのに今更その話題かよと言われるかもしれないが。

カカクコム社によるプレスリリース

これは不正が発覚したので厳正に対処するというハナシである。これを言ったら身も蓋もないかもしれないが、そもそもメディアを使ったプロモーションをするときにはサクラはつきものである。

サクラというのは、春に花見で桜を見るのはタダだというのが語源で、芝居等をタダで見る代わりに、要所要所で掛け声をかけたりして場を盛り上げる役をやるお客のことである。これはある意味最近流行りのフリーミアムの昔からある1つのカタチといえないことはないし、Twitter 割引なんてのも割り引いてもらった代わりに思わず Twitter で宣伝してあげたくなっちゃうわけで、同じようなことである。

そういう理想的・自発的サクラだけでなく、客席にあらかじめ「仕込み」の客がいることで、演し物を円滑にすすめるためにお客を演じるというケースも多々ある。特にマジックショーではよくあることだろう。

つまり、サクラというのは必ずしも悪いものではない。

今回のカカクコム社が発表したのは、これらとは違って明白に悪質な行為を行なっている業者を発見したので、その行動開始が早かったのか遅かったのかは僕の知る由もないが、正しい方向に進むことを宣言されたわけで、褒められこそすれ貶すようなことではないと思う。

どういうわけか、イマドキはそういう正しい人に対しても、ネガティブなことがあったら周りで指をさして晒し上げるような風潮があるようで心が寒くなるばかりであるが。

2度と行かねぇ!

飲食店というのはほんと大変だよなーと思う。正直僕のような小心者がやるのはムリだろうなと思うばかりであるが。

よく、「あのお店には2度と行かない!」なんて会話をきいたり、ついついしてしまったりする。

飲食店の場合は、どれだけ料理やサービスに気を使っても、たまたま隣に座ったお客の態度が悪くていやな思いをしたとかであっても、充分に悪い印象を残すことになるわけで、「2度と行かねぇ!」とまでは言わなくても、自然と足が遠のいてしまったりする。お店側にはなんの問題はなくともだ。

新規にオープンしたお店なんかに行くと、ふんふん、このお店の味はあたしの好みじゃないわよねなんつって、「うーん、早速行ってみたけどあたしの好みじゃなかったわ」などとしたり顔で言いたくなってしまいがちだが (なぜオネェ言葉w)、新しいお店はもちろん方向性にブレが出るのは当然なわけで、仮に開店初日に行ってみて好みでなかったなーと思っても、3ヶ月ぐらいしてもう1度行ってみると随分印象が変わっていたりする。

そして、何度も通っているうちに、そのお店が目指している味の方向性や、お店の方々の人柄というかキャラクター的なこともわかってきて、とても居心地の良いお店になるということもある。たいてい「おなじみの店」というのは、そうやって自分がそこに慣れていくことが多いのではないかと僕は思うのだが。

サービスは受けるほうがえらい?

よくわからないけれども、お金を払うひとはお金を受け取るひとよりエラそうにしていることが多いような気がする。それがお客様本位なのか、おもてなしの心なのか、僕にはよくわからないのだけれども。

最近はネットを中心にフリーなサービスというものが多く出てきているわけで、それこそ上記食べログだって基本は無料で提供されているサービスである。それを利用していて、「おい食べログもっとしっかりしろよ」みたいな感じになってしまっているのは不思議なことだ。

そもそも、お金を受け取るほうも、それと等価な、いや場合によってはそれ以上の品物、食物、サービスを提供しているのであって、立場はまったく同等なのである。自分はお客サマなんだから、サービス提供者より目上であるなどということはないと思うのだけれども。

ありがとう

お店でなにか買ったり食べたりして、お金を払うと、お店のひとは「ありがとうございました」と僕に言う。その時、僕もお店のひとに「ありがとうございました」「ごちそうさまでした」というようにしている。

これ、たまに出張で行く都心のお店ではそんなことないけれども、地元長野県の飲食店 (特にチェーン店やフランチャイズのお店) やコンビニなんかだと、面食らったり戸惑った顔をされる店員さんがとても多くて楽しい。たぶん、めったにそんなこと言われなかったり、ご自分もお客になったときにはそんなことをおっしゃっていないのではないだろうか。

自分はお金を払っているけれども、どちらかというとカネで解決した卑しい立場で、対価としてサービスを提供している人のほうが気高いのかもしれない。いや、それは極端だけれども、サービスを受けている方がエラいなんてことはないと僕は思うのだけれども。

そんなわけで、確かに悪質なやらせとかよくないし、高い評価づけの話題のお店を選択するのもいいけれども、いつものお店で「ありがとう」って言ってみたら、なにか変わるかもしれないよと。生意気なことを思ってみるのであった。

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