諏訪の神様ってどんな神様?


勤務先用に書いたものです。


いやーお正月以来1ヶ月ほど間があいてしまいましたね。お正月ボケは抜かないようにのんきに1年過ごしていきたいと強く思う次第ですが、それにしても時間経ちすぎました。

ニュースなどをみますと、諏訪大社の御柱祭も準備がちゃくちゃくと進んでいるようですね。

さて、前回の続き。諏訪の神様ってどういう神様なのか

以前善光寺のときにも書きましたが、改めて書くとだいたいこういうおはなし。

その昔、葦原中国、つまり現在の日本のことですが、そこを統治していたオオクニヌシ (大国主) という神様がいました。しかし葦原中国はもっと由緒ある高天原の神様が統治すべきといって、高天原から使者がやってきます。

しかしオオクニヌシはよっぽどの大物、傑物だったようで、使者は次々とオオクニヌシさんと仲良くなって高天原へ戻らなくなってしまいます。で、最後の使者として腕っぷしの強いタケミカヅチ (武御雷) という神様がやってきて、オオクニヌシに凄みます。「おめーんとこの国よこせや」。

オオクニヌシさんはこれこそが大物っぷりなのかびびったのかよくわかりませんが、「まああたしゃいいんですけどね、ウチの息子がなんていうかね。ちょっとウチの長男にきいてみてよ」と言ったそうな。

それでタケミカヅチは、魚釣りにでかけていたオオクニヌシのご長男、コトシロヌシ (事代主) に、「この国はオレんとこのボスが治めるべきなんだよ。あんたもそう思うだろう?」とスゴみますと、コトシロヌシさんは「そそそそっすね」といって、乗っていた船をひっくり返してその下に隠れてしまったそうな。どんだけびびってんのよ。

で、あんたんとこの坊っちゃん承知したってさとオオクニヌシにいうと、「あーまあならいいんだけどさ、ウチ次男もいるからさ。アイツにもきいてみてよ」と、のらりくらりと引き伸ばします。ホントに大物なのかこの人?

で、そこに次男のタケミナカタ (建御名方) がやってきて、「このやろうコソコソ変なことしやがって!オレと相撲で勝負しろコラ」とふっかけるわけですな。

ところがタケミカヅチは最後の使者としてやってきただけあって、メタクソ強いわけです。氷の剣などの凶器まで持ちだしての暴れっぷり。哀れタケミナカタは腕を引きちぎられ重傷を負いまして、ほうほうのていで信濃の諏訪まで逃げてくるわけです。で、「すんまそん、もうここから出ないから勘弁してください」。

そんなわけで、オオクニヌシは「あーじゃあいいよ。ウチのクニあげちゃう。でもさあオレも神様だしさあ、オレサマ用にでっかい宮殿作ってよ。そしたら文句ないから」と取引をするわけです。どうなのよこのとーちゃん。それが現在の出雲大社なんだそうですけどね。

というわけで、アマテラス (天照) を頂点とした高天原の神様達と、オオクニヌシを頂点とした出雲大社系の神様達というのは、流派が違うんですな。2年前の2014年に高円宮家の次女典子様 (皇族はアマテラス系) が出雲大社権宮司の千家国麿さんにお嫁入りされたというのは、実はこういう神話レベルでの歴史的できごとだったりしたわけです。

さてさて、そんなわけで諏訪の神様はそのタケミカヅチにやられてしまったタケミナカタという神様なんですけども、みようによってはもともと平和に暮らしていたところ、突然他の国のひとに侵略され、屈してしまったように見えなくもありません。ていうか、まあそういうことだよね。

ところが、諏訪大社の縁起はこれだけではなく、甲賀三郎の物語というものもあります。

むかしむかし、とても美しい奥様を娶った甲賀三郎、名前からして三男なのかもしれませんが、兄弟からたいそう嫉妬されまして、奥様をさらわれてしまいます。

三郎はほうぼう奥様を探し回りまして、ついに信州蓼科山の人穴で奥様を発見。救出します。

ところが兄弟達の策略にはまり、三郎はその人穴から出られなくなってしまいます。しかたなく穴の奥底に進んでいきますと、維縵国 (ゆいまこく) という地底国に行きつきまして、そこの国王に気に入られて維縵国の姫と結婚します。重婚ですな(ォィ)。

三郎さんは維縵国で13年暮らすのですが、やはり前妻を忘れられぬと。でまあ国王もまあそりゃそうか仕方ないなということで、三郎に協力してあげまして、なんとか三郎は浅間山の上に生還します。しかしそこで、自分の体がヒトならぬ龍の姿になっていることに気がつきます。フランツ・カフカもびっくりですな。

しかしそこで老僧に導かれ、池の水を飲み、呪文を唱えるとヒトの姿に戻ったと。その後は前妻と再会し、身についた神通力で諏訪の神様になったらしいです。

そういえばオオクニヌシというひとも、芦原中国の神様になる前、因幡の白兎のおはなしの後では80人の兄弟たちにいじめられていたし (ひどい)、その後これも地底世界である根の国というところで、高天原から追放されていたアマテラスの弟スサノオ (須佐之男) の美人の娘を妻に娶りますし、別のおはなしのようで似ているおはなしだったりします。

じゃあおんなじなにかが別の物語として成立したのかなーと思うと、ちょっと引っかかるところがあります。

甲賀三郎さんは龍の力を持っている神様なのですな。

諏訪大社のまた別の縁起書「諏方大明神画詞」というものによると、もともと諏訪にはモリヤ (洩矢) という神様がいたのに、そこにある日タケミナカタがやってきて、戦争の末に諏訪の地を奪われたという物語が描かれているのだそうです。なんだ、タケミナカタも侵略者なのか、まさに乱世乱世でござるなというカンジですけど。

ところで、そのモリヤという神様は、日本全国でこういう現在の神道の神様より前に祀られてたといわれる古い神様、ミシャグジという種類の神様の1柱であろうといわれていて、これはヘビ、またはの神様らしいというんですな。

あれ?ヘビ?龍?甲賀三郎て龍の神様じゃなかったっけ?

まあヘビの神様ならたしかにお正月にカエルを供えてもらうと喜ぶでしょうけども、だとしたら諏訪の神様っていったいどっちなの?両方いるの?

と、知れば知るほどごっちゃになってるというか、なにがなんでもおんなじザンスというカンジで、おもしろいおはなしだと思うわけです。

さて、大変長くなりましたが、今回はここまで。


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