12月 18

善光寺と諏訪の神様

勤務先用に書いたものの転載です。


 

諏訪大社

来年4月に迫った善光寺の御開帳ですが、これは数えの7年、実際には6年に1度だけ行われる、とてもめずらしいイベントです。

長野県にはもう1つ、数え7年・実際6年に1度行われるイベントがありまして、しかも決まって善光寺御開帳の次の年に行われます、諏訪大社の御柱祭りというものがあります。

これは諏訪湖の辺り、諏訪大社という神社の「建て御柱」というおおきな天然樹の柱を建て替えるお祭りなのですが、この柱になる木を運んでくる課程がすべてお祭りでして、特に木落し坂という大きな坂から木をすべり落とす際には、その木の上に多くの氏子がまたがって、木と一緒に坂を滑り落ちます。

これが大変な迫力でして、かつてはこれによって亡くなった方が出たりしております。日本を代表する奇祭といわれております。

善光寺の御本尊に関しては前回まででなんとなくわかってきたような気がしますので、ちょっと休憩がてら、諏訪の神様はどんな神様なのか、ちょっとだけ先取りしてみましょう。

(続きを読む…)

12月 12

善光寺と宗教戦争

勤務先用に書いたものに一部加筆・修正しています。


gokaicho-yokoku

先日の善光寺の御本尊はどんだけ古いのかというお話しで、実は日本最古の仏様だったというお話しをさせていただきました。

ちょっと前回書いたのはいろいろ正確でなかったようなので (汗) もうちょっと詳しくみてみましょう。

朝鮮半島にありました百済という国から、日本、というか当時は倭国というのですかね、仏像や経典が国家間の公的な贈り物としておくられてきます。これを仏教公伝というのだそうで。どうやら善光寺の御本尊である阿弥陀如来像もその中の1つだったということのようですね。その阿弥陀如来像の自称ですけれども。

で、まあ当時の欽明天皇が、これどうしたもんかなー、日本でも仏教やるかなーと悩んだわけです。

(続きを読む…)

12月 02

善光寺と先日の地震

勤務先用に12月1日づけで書いたものの一部修正転載です。


zenkoji-jisin-2014

先日の大きな地震から1週間たちました。そろそろ余震も大丈夫かな?というところですね。

ここんところ来年の御開帳に便乗して善光寺の話題を書いておりましたけれども、その善光寺さんにも結構な影響がでているようでございます。

掲載させていただきましたお写真は、Ingress というゲームにおいて善光寺界隈でご活躍されていらっしゃる Icebraker1 さんにご提供いただきました。11月24日撮影のものです。

報道にもありましたとおり、石灯籠や石碑の類がいくつも崩れておりまして、ただ崩れただけならまた積み直せばいいじゃんと思ったものの、お写真を拝見しますとボッキリへし折れちゃってるものも少なからずなようでして、結構たいへんなことのようです。

こ の Ingress、善光寺の灯籠もこのゲームの「ポータル」という拠点になっておりまして、しかもその中でも結構重要な中継ポイントになっておるものもござ いまして、少し前まで長野県全域で Darsana というこのゲームの特別なイベントも開かれておりましたので、場合によっては地震発生時、倒壊した灯籠のちかくにエージェント (Ingress のプレイヤーのことをそう呼びます) がいたりしたんじゃないか、けが人がでなくてなによりであったと Icebraker1 さんのお言葉でした。いやはやまったくでございます。

さて、以前にも書きましたが、大きな地震がおきると、かわら版などで「鯰絵」という、オオナマズを退治する風刺画が描かれるという流行がその昔ございまして、その元祖は善光寺地震が発祥でして、オオナマズを退治したのは善光寺の御本尊である阿弥陀如来だったのであります。

(続きを読む…)

11月 26

オオサクラソウの花の色は

勤務先用に2014年11月26日付けで書いたものです。


ohsakuraso

高原植物にオオサクラソウ (大桜草) というのがありまして、だいたい夏の頃に赤の強いピンクというか紫というか、紅紫色っていうんですかね?鮮やかな色の花があります。なかなか健気に可憐な山野草ですね。

お写真は Wikimedia Commons より拝借させていただきました。Alpsdake 様という方がご撮影された、Creative Commons 表示-継承ライセンスのものでございます。

その昔、白馬岳のふもと、現在の小谷村のあたりに、豪勢なお屋敷のお金持ちが住んでいたそうで。そしてまたそこの娘さんが大変な美人だったそうなんですな。名をたまきさんとおっしゃったとか。

そんなわけなので、たまきさんは大変モテモテだったわけですけども、まあなにせ結婚相手としては好条件ですからね。親としてはお相手は吟味したいわけで、そんじょそこらのヤロウは門前払いを食らわしていたんだそうで。

しかし、いつの間にやらたまきさんは、あんましお金持ちには見えないカンジの、若いイロオトコと密会しているようでありまして。

(続きを読む…)

11月 22

善光寺と冬の花火

勤務先用に書いたものの一部修正転載です。


 

hanabi

先月10月の末は「ハロウィーン」ということで、東京渋谷の街が仮装した方でたいへんな人出だったそうですな。

長野はなんだかんだいって、東京から3年ぐらい遅れて「はやりごと」がやってきますので、今年はそろそろかな?と思っていたのですけど、そうでもなかったようです。

いい年をした若者がコスプレをしてわいわいしているので、なんなんだこれは、そもそもハロウィーンの意味をわかっているのか、などと苦言を呈していらっしゃる方々もお見受けしましたが。

しかし、それを言っちゃあそもそもクリスマスだって、日本では東京銀座あたりで、会社帰りのお父様方がおねえさんとお酒を飲むお店で、年末のキャンペーンとしておこなわれたのが最初だという説があったりします。

というわけで、宗教的、民俗的なおまつりなのに、関係ないひとがうかれるのはどうかということを言われると、いや、いいんじゃない?おまつりなんてそんなもんでしょ?と、言いたくなってしまいますな。

信州善光寺のすぐ近くのあたりに「権堂 (ごんどう)」という地区があります。

(続きを読む…)

11月 22

善光寺ってどんだけ古いの?

勤務先用に書いたものの一部修正転載です。


 

zenkoji_sanmon

前回、 善光寺のご住職でさえも絶対にみることのできない善光寺の御本尊、ホントは存在しないんじゃないのぉ?という疑問に対して、その昔存在が確認されたことは あるのだということ、また、結構昔の古いものみたいなもんで、損傷がとても激しくて、うっかり外に出せないんじゃないかというおはなしをいたしました。

さてさて、それでは善光寺の御本尊というのはどんだけ古いものなのでございましょうや。

善光寺の縁起では、だいたいこのようなおはなしとなっているようです。

(続きを読む…)

11月 22

善光寺の御本尊て本当にあるの?

勤務先用に書いたものの一部修正転載です。


zenkoji-shiki

台風19号が各地で猛威を振るったようですが、皆様ご無事でしたでしょうか。

どうも今年は自然災害が多いような気がいたしますね。被害に遭われた皆様にはお見舞いを申し上げます。

さて、随分時間がたってしまいましたが、前々回の続き。

来年の平成27年4月5日(日)から5月31日(日)までの日程で善光寺の御開帳と いうビッグイベントが開かれるわけですが、御開帳といってもホントの御本尊は見れなくて、そのレプリカ (といっても鎌倉時代に作られた由緒あるもの) の小指から紐で繋がった回向柱というでっかい柱にさわれる程度。そもそも善光寺の御本尊は、われわれ一般人だけでなく、善光寺のご住職さえも見ることがで きない絶対秘仏だというお話しをさせていただきました。

で、それって、ホントは御本尊なんてないんじゃないの?ないって言ったらエライことだから、あることにしてるんだけど、ホントはないんじゃないの?だから見せられないんでしょ?そら絶対秘仏だわ。

(続きを読む…)

11月 19

善光寺の地震と大なまず

勤務先用に2014年10月7日付けで書いたものの一部修正転載です。


 

去る2014年9月27日のお昼頃、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山が噴火し、多くの尊い命が失われました。先日書いたとおり、来年行われる善光寺御開帳の話題を書くとしておりまして、どこかのタイミングでその昔の御開帳の開催期間におきた、善光寺地震についてお話ししようと思っていたのですけれども、このタイミングがいいのか、それともまたいずれとしたほうがいいのかと迷っているうちにしばらくたってしまいました。

善光寺地震とは、明治維新の21年前である1847年の善光寺御開帳が開催されているまさにその時に起きた大地震でございまして、マグニチュードは7を超えたと考えられているようです。

諸国からの参拝客でたいへんな混雑だった善光寺門前の宿坊・旅籠 (はたご) に直撃しまして、あがった火の手は3日も延焼したとか。

そればかりか、各地で山崩れがおき、なかでも先日話題にしました山姥の住む虫倉山とそのおとなりの岩倉山が崩れた土砂によって、戦国の古戦場として有名な川中島あたりに巨大な天然ダムができて一帯が水没、さらにそのダムが決壊して大洪水が起きたりと、最終的な犠牲者は1万人にもおよんだとか。

先の震災やこの度の噴火でも、皆様テレビ等の報道をご覧になって、大変お心を痛めていらっしゃると思います。

当時のひとびとも同じでございまして、それこそ日本全国から善男善女が大イベントに集っていたまっただ中に発生したわけですから、日本中でこの災害の様子を伝えるかわら版が飛ぶように売れたそうでございます。

そしてそれらのかわら版に、このように善光寺本尊大なまずのばけものを退治する絵がさかんに描かれたのだそうです。

(続きを読む…)

11月 19

来年は善光寺御開帳です

勤務先用に書いたものの一部修正転載です。


 

zenkoji

来年の話をすると鬼が笑うなどと申しまして、信州だけに笑うのは八面大王鬼女紅葉かというところもありますけども、今回はそういうお話ではございません。

来年、平成27年4月5日(日)から5月31日(日)まで、およそ2ヶ月の間、信州定額山善光寺において、御開帳が行われます。

これは数えで7年 (実際には6年) に1度だけ行われる、長野県有数かつ県都長野市最大のビッグイベントであります。

というわけで、まだはじまるまで半年少々あるわけですけども、少しずつ話題として取り上げていこうかという所存です。

「御開帳」と申しますからには、ご本尊を拝めるのかともちろん思うわけですけれども、善光寺式阿弥陀三尊と言われる一光三尊阿弥陀如来像は絶対秘仏となっておりまして、参拝客はおろか善光寺のご住職すら見ることは叶わぬものとなっております。

え?じゃあそれ御開帳じゃないじゃん。御開帳っていったいなにやるの?

(続きを読む…)

9月 07

八面大王にまつわる、もうひとつのおはなし

勤務先用に書いたものの一部修正転載です。

さて、長々おはなししてきてしまいましたが、信州の山姥のお話しの最後です。

八面大王とはどういう鬼だったのか?

最初に申し上げましたとおり、鬼だの妖怪だのと言ったハナシは本来はオカルトではないわけでして、鬼なんてものは実際にはいないわけです。

あいつは鬼のようなヤツだ」というようなものですし、最後は朝廷からの刺客に倒されたわけですから、なんらかの悪事を働いた者のことだったのではないかと考えられます。

大王わさび農場と同じく安曇野市にある穂高神社の縁起によると、義死鬼という東夷 (朝廷に従っていなかった他の勢力) を田村利仁 (坂上田村麻呂の別名) が討伐したということなのだそうで、なるほど、前回までのお話とだいたいおんなしですね。
  八面大王足湯1
 しかし、もう1つのお話が伝わっています。

(続きを読む…)