タイトルで言いたいことは全部言ってしまっているので、あとは余録ということで(笑)。
書こうと思いつつ何ヶ月もたってしまったことなんだけど。
昨年秋ごろに「税金はどこへ行った?」長野県千曲市版を作ってみたのはその頃書いたとおり。
千曲市の自治体サイトで公開されていた予算案の資料を、「税金はどこへ行った?」のフォーマットで作りなおしてみただけのものだ。公開されている情報があまり詳細ではなかったので、正直あんまりおもしろ味はなかったようだけれども。
現在は「税金はどこへ行った?」のバックエンドである OpenSpending というサイトが新規データを登録できなくなっているので、更新もできなくなってしまったのが残念ではあるけれど。
で、これをつくるとき、そのときいちばん新しい予算案の PDF ファイルを自治体サイトからダウンロードして使わせていただこうと思ったら、その PDF はなぜか壊れてて開けなかった。まあよくあるはなしだ。
通常業務でお忙しいだろうし、当然すぐには返事はこないだろうと思いつつ、「こわれてますよ」と問合せフォーム的なところからメッセージを送っておいた。
で、たしか連休をはさんだのだったと記憶しているけど、休み明けの日すぐにメールで返信をいただいて、すぐデータを差し替えたこと、今後はこういうことがないように注意するという内容のことが書いてあった。
連休明け早々でシゴトがたまっているだろうに、こんなことにすぐ対応してもらってむしろこっちが恐縮したのだった。
あと、「今後はこういうことがないように注意する」というのがちょっと気になった。こんなことはよくあることだとぼくは思うので、「今後はないように」とまで言ってもらってもむしろ恐縮しちゃうなと。これだけ早く直してくれるのであれば、全然問題無いじゃんね。と。
ハナシ変わって、今年3月に Code for Nagano キックオフというイベントが GEEK.LAB NAGANO であったので参加してきた。
これは、最近長野県や長野市でもオープンデータの取り組みがはじまったので、既にオープンデータを積極的に公開されていた須坂市や、オープンデータそのものを推進している遠藤守さんのおはなしをきいて、さらに翌月行われる Open Data Day というイベントでオープンデータを使ったハッカソンをするべく、まずはアイディアソンをしようというイベントであった。ぼくはアイディアソンのみ参加させてもらった。
このときに Code for Nagano 発起人の GEEK.LAB NAGANO エヴァンジェリストでもある中澤さんのインタビューをウチの Podcast に収録しているので、是非ご聴取くださいねっと。
で、そのときに長野市の方が言っていたことがちょっと気になった。
- 自治体が出している情報に、間違いがあったら問題であること
- もともと自治体は情報請求されてから公開するという体制なので、自ら発信するのが体制的に難しいこと
- いちばんは、まずそのときの担当者ががんばって公開したとして、その後そういうことを継続していく体制はどうなるのか、ということが問題だと思う
とのことであった。
うむ、おっしゃること、わからんでもないんだけど。
例えば、ぼくらプログラムを書くひとたちが、GitHub なんかでソース公開する場合、そんなことまで考えるかなあと思ったのである。
とりあえず手元に便利なものができたからさ、公開してみんなで使おうよ、そんで「おれすげー」て思いたい。言ってもらえればなお嬉しい、ぐらいなものなんじゃないかと思う。
それが、やはり自治体が情報を公開するとなると、そんな気安さじゃ済まねーよ、ということなんだろうか。
じゃあ、企業がオープンソースプロダクトを公開する場合はどうだろう。たしかに配布元、開発元として責任はある程度発生するかもしれないけど、「これを利用して不利益があったとしても責任は負いかねる」という但し書き付きで配布されているものがほとんどだと思う。GPL とかそのへんのオープンライセンスもみんなそうだよね。
自治体のオープンデータは Creative Commons の CC-0 または CC-by で公開されているものが多い。
上述の遠藤氏も、オープンデータは CC-by で公開すべきとおっしゃっていて、ん?なんで「by」じゃなきゃいけないんですか?と質問したけど、なんかそのときは他の話題もあって有耶無耶になってそのへんのお考えをおききすることは残念ながらできなかった。
そういえば、よく考えると、Creative Commons のライセンス条項って、免責については触れられていないんだなあということに今気がついた。
で、なにが言いたいかというと、正確であることより、問題があったときに迅速に対応してくれた方が嬉しいよね、ということ。
これはたぶん、ソフトウェアを作っているひとからすると、ソフトウェアには「バグがあって当たり前」だからなのかもしれない。
ただ、上記の長野市の方のコトバをお借りすると、「間違いがあったときに迅速に対応する体制」が必要だ、ということになるのかもしれないけど。
もし、公開内容に間違いがあったとして、それについて糾弾するようなひとっているのかなあと。そんなにかしこまる必要あるのかなあとぼくなんかは思うのだけど、なにか問題があったら鬼の首をとったように役場にねじ込むようなヒトがいるのかもしれない。そのセカイはよくわからないけれど。
自治体が公開する、公開できるデータというのは、たぶんモトになるものがすでにあって、それをどうやって公開するか、ということの方が問題で、それだって簡単なルーチンワークのようなことにすることはそう難しいことではないと思う。というか、そういう「仕組み」を作ればいいことだよね。
クニとかがオープンデータやれって指導しているみたいだけど、じゃあどうやって?てところにはノータッチなんだろうか。せめてそういうことには予算をかけて仕組みをつくらなきゃダメなんだよってことを周知したほうがいいんじゃないのかな?
こういうお役所の情報がオープンに公開されるには、担当するひとに過度な負担がかからないようにするべきで、それを勝手連が勝手にやるんじゃなくて、公的に推進すべきということなのであれば、そのためにはそのための仕組みをちゃんと作らないとダメだよねってことと、市民の側も、間違ってるからってぎゃーぎゃー騒がないってことが必要なんだろうなあ。と、ぼくは思うのだけれどね。
オープンソースのソフトウェアも、すべてがちゃんと動いているということよりは、今も活発にメンテナンスされているかとか、自分も含めたほかの人も参加しやすくなっているかとか、そっちの方が採用基準として気になるもんね。
オープンデータについても、そういうカンジに根本的な考え方の転換がないと、担当するひとが大変になるだけだろうなあ、と思った次第であったりした。
コメント