秋山郷の矢櫃村の檀(やびつむらのまゆみ)伝説


2011年3月11日、東北関東大震災が発生した。現在もなお事態は進行中である。

この震災では長野県では唯一、下水内郡栄村が被災している。関係各位には深くお見舞いを申し上げます。実はいちども行ったことがないので、落ち着いたらぜひ観光にお邪魔したいなと。

さて、栄村は「秋山郷」といって、非常に雪深い秘境である。

国内では珍しく焼畑農業がおこなわれていたとか、平家の落ち武者の村であるとか、県内他地域とは少々趣の異なる伝説が残っている。以下はそのひとつ。

天明三年(1783年)、浅間山が噴火し、信州全域に飢饉が発生したとき。

秋山郷には僻地ゆえに援助の手も届かなかった。
噴火による日照不足のため、草も木の葉も生えない有様であった。
不思議なことに、矢櫃村の御神木の檀の木だけは葉をしげらせていた。
村人たちは、その葉を分かち合ってどうにか生きながらえていた。
季節は秋になり、檀の葉も少なくなった。
村人たちは互いに譲り合い、自分からその葉をとることはなくなった。
若い者は年寄りに、年寄りは子に譲り、しかし、誰一人としてその葉を食べるものはいなくなった。

そして、矢櫃村は全滅したそうである。

今また秋山郷が困窮を極めているとき、ふもとの我々は、我先に食料や燃料を買い漁っている。
それは、たぶんきっと間違っていると思う。

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参考資料

 


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